ダウン症 椅子の工夫
ダウン症の子は個人差がありますが、全身の筋肉の緊張が弱いのが特徴です。
背中がくにゃっと丸まりやすく、食事のときなどによい姿勢を保ちにくいです。
筋肉の発達を促し、正しい姿勢をからだが覚えるためにも、その子やご家庭に合った椅子がひとつあると色々と楽です。
月齢とその子の身体の状態や好みもあるので正解はありませんが、先輩方に教わったものと、私が試行錯誤したものを載せています。
【注意】子どもは予想外の行動をすることが多いので、安全には十分留意ください。
①箱いす
・腰周りをゆるく固定し、足の裏をつけて刺激。
簡単に出来るが、活発なタイプは動いて転びやすいか。
(次男は嫌がって前や後ろに動いて転ぶのですぐに終了)
●こちら のP.30に作り方あり。
●我が家の例
②豆イス
先輩から伝授してもらって作成しました。
《材料》
バスマット1枚
ビニール紐(大きな結束バンドでも)
滑り止めシート(ネット通販で購入。百均でも見かけた)
不要な雑誌の束(写真は空き箱の中に段ボールを詰めたもの)
・膝が開きすぎないように両端のマットの厚みを調節。
・太ももの長さが短く、膝が伸びてしまう時は、背中にタオルなどを入れて前に座るように調節。
・座面には滑り止めシート。
・その子の足の裏、全面がつくように雑誌の束の高さを調節し、足元に置く。
・その子の体幹の安定度によって背中のバスマットの高さを調節。
(そういえば、次男は療育の先生に、ここまで高くなくて良いよと言われていた)
・ベルトのようなものがあれば使う。
(我が家はチェアベルトで代用)
③牛乳パック椅子
作り方はこちらを参考に
JDS(日本ダウン症協会)岡山支部: 牛乳パック椅子 https://t.co/rOpYdCiT46
実際に作った方から写真を頂きました。
成長に合わせて拡張!
・背中にバスマットを入れてお尻の位置を調節
④ハイチェア
わが家は食卓がダイニングテーブルなので、上の子と同じハイチェアを購入。
座面であぐらをかいてしまうので、パック椅子のアイディアでジェットコースターのレバーのようなものを作って、ひもで装着。
《先輩に教えてもらった例》
・背面はバスマットをカット。
・両端のものは、ダイソーなどにあるスチロールブロックを結束バンドの大きいもので固定。
・ブロックが短いと膝が開くので、その子の足の長さで工夫を。
(運動発達についての参考資料)
【誤食に注意!!】
上下の前歯が生えているお子さんは、離乳食は噛めなくても、紙類、スポンジ類をかじり取るとよく聞きます。
次男も椅子の姿勢補助に使っていたバスマットを、かじり取って食べていました。
おなかの中で詰まる危険があるので、使わないときは別の部屋に置くなど、誤食には十分注意してください。
【注意点】
ここで共有されている情報は、あくまで一般的なものです。
個々のお子さんにあったスピードや工夫も必要になるかもしれません。
全ての情報が当てはまるとは限らないので、ひとつの参考資料と捉えてください。
お子さんの状況をよくご存知の主治医や専門家に相談することをお勧めします。
困ったときには、地域の病院や療育園などにおられる専門家、
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)にご相談ください。
ダウン症 ●水分摂取の悩み●
ダウン症の子は筋肉の緊張が弱いので、口をうまく使うことが苦手です。
スプーンでご飯を食べられるようになっても、
スパウトやコップ、ストローをうまく使えない話をよく聞きます。
下の子の水分摂取にもかなり困りました。
離乳食の形状をアップすると含まれる水分が減ります。
同時期に哺乳瓶でのミルクを卒業したので、
飲める水分量が少なくなり便秘もひどくなりました。
スプーンは一時期、断固拒否でした。
(スプーンを見た瞬間に払いのけ、数滴しか口に入らない)
スパウトもコップも投げ捨てる。
味も白湯や麦茶は嫌いなようで、哺乳瓶であげても嫌がっていました。
ほとほと困り果てていた時に色んな方からアドバイスをいただき、
試行錯誤中の末にたどり着いた方法をいくつか紹介します。
【形状の工夫】
①とろみをつける
サラサラの水分だとむせる子もいるが、とろみがつくとむせずに飲める。
・とろみが苦手な子もいるらしい。
・少ない容量のとろみ粉でお試しを。
触感が大丈夫そうなら大容量購入がオススメ。
(参考)ベビーのとろみの粉は少ないので、私はこちらを購入して、日々大量に消費中。https://www.amazon.co.jp/dp/B0063A1FG4/ref=cm_sw_r_apa_i_fWZGEbVRWH05W
②寒天で固める
コップもストローもまだ使えないが、ある程度の量を摂取して欲しいときに重宝。
先輩から麦茶寒天の話を聞き、チャレンジ。
下の子は麦茶の味が嫌いらしく食べなかったので、スープを寒天で固めたものを食べています。
【スープ寒天のレシピ】
固さ:ゆるめのゼリー
・粉末寒天4g
・水 250ml+ 750ml
(750ml中いくらかは野菜を茹でたスープを使うことも)
・味付け用調味料
①寒天と水250mlを鍋に入れて泡立て器で混ぜる。
②火をつけて沸騰したら弱火にして3分で火を止める。この間ずっと混ぜる。
③適当な味付けをしてよく混ぜる。
(わが家の定番:コンソメor和風だしor鶏ガラスープ+しょうゆ少し)
④750mlの水を入れて混ぜる。
このとき、冷たい水をいれると寒天が固まってしまうので、少し温かいものが良い。
⑤冷めたら冷蔵庫へ。
※お子さんの口の動きに合わせて固さを調整したり、寒天をクラッシュして食べさせてください。
★先輩方からいろんな方法を教わりました★
【麦茶ゼリーのレシピ】
粉寒天…小さじ1/2
麦茶…250〜300cc
①器に粉寒天を入れる
②わかした麦茶を注ぐ
③よく混ぜる!!
④粗熱がとれたら冷蔵庫へ
・かんてんクックがオススメ。
生協や某通販サイトにて、300円前後。
高くなっている場合もあるので注意。
・こちらはしっかり加熱しないと溶けが悪いので、この方法は不向き。
・常温でも固まるので外出時もOK!
・白湯も同様
・粉ミルクで作るときは先に少量の湯で寒天を溶かし、粉ミルクを注ぐ。
寒天を溶かす湯+ミルクを溶かす湯=ミルクの分量、になるように。
【ほうじ茶ゼリー】
イオンサポート ほうじ茶ゼリーの素 40g
https://www.amazon.co.jp/dp/B0043DD4PI/ref=cm_sw_r_tw_apa_i_.PXJEb6BPD5MY
・溶かして冷やすだけでほうじ茶ゼリーが作れる。
・リンク先は参考程度に。安いところを探してみて。
【味の工夫】
・白湯
・麦茶
(ベビー麦茶のほうが苦みは少ない)
・フォローアップミルク
(かかりつけの遺伝科Drが、2歳までは発達のために摂取するようにと言っていた)
・牛乳
・1日分の野菜ジュース
(濃厚なのでとろみがある。カゴメはトマトを一番多く含む。伊藤園はにんじんを一番多く含む。)
・スープ
(野菜を茹でた時に出る野菜スープや、みそ汁を薄めて使うなど)
・薄めたイオン飲料
・リンゴジュース、カルピスなど
(ストローやコップの練習に使った話を聞く)
※※月齢や医師からの制限に応じて量と種類は調整してください※※
【コップ飲み】
STさんや療育の先生に聞いても、スプーン→コップ→ストローの順番で習得を説明されます。
ミルクを飲むときに、舌で巻き込んで飲む口の動きのままストローを使ってしまうと、コップの飲み方を習得するのに時間がかかるそうです。
(とはいえ、それぞれご家庭の状況もあるので、理想の流れでなくても練習すれば慣れていけるだろうと個人的には思います)
コップ飲みはUコップで練習したという先輩が多かったので、購入しました。
Uの形になっているので、頭が当たらないし、その子の飲める量に合わせて傾けやすかったです。
いくつか紹介します。
①大容量。蓋付き。
縁に注ぎ口みたいなものがあるので、脇から漏れにくい。
値段は高め。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00TTMGH9I/ref=cm_sw_r_other_apa_i_sLjIEbZMJEPNS
②コンパクト。練習するには良いサイズ。
https://www.amazon.co.jp/dp/B000FQT2U8/ref=cm_sw_r_other_apa_i_EPjIEb01BJ1M6
③コンパクト。洗いやすい。
https://www.amazon.co.jp/dp/B003MUMHDS/ref=cm_sw_r_other_apa_i_oQjIEbJP0N29N
④紙コップを、Uコップのようにカットして使う方法も聞きました。
外出時コップを持っていくのが大変なとき、洗い物を出したくないときに、持参していました。
飲み口を少し半分につぶすと、横漏れを防げます。
【注意点】
ここで共有されている情報は、あくまで一般的なものです。
個々のお子さんにあったスピードや工夫も必要になるかもしれません。
全ての情報が当てはまるとは限らないので、ひとつの参考資料と捉えてください。
※※水分量や塩分制限、カリウムの摂取について治療上指示がある場合もあります※※
お子さんの状況をよくご存知の主治医や専門家の指示を仰いでから
始めることをお勧めします。
困ったときには、地域の病院や療育園などにおられる専門家、
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)にご相談ください。
ダウン症の子の離乳食って何が違うの??
上の子は離乳食で困った記憶がほとんどなく、スムーズに卒業しました。
一方、次男はスプーンを近づけても口すら開けず、困り果てたことを覚えています。
健常の子向けの離乳食の本はたくさんありますが、ダウン症の子の離乳食の本は中々見つかりません。
その後、調べたり、先輩に教わったことを共有したいと思います。
・ダウン症の子は発達が全体的にゆっくり
・よく食べる子と中々食べてくれない子と色んな子がいる
・口や舌の動き、味覚や触感も練習中。いつか食べられるためにと無理のない範囲で離乳食を。
(上手くいかないときは互いにストレスなので、少しお休みしたり、好きな音楽をかけたり、BFに頼ったり、あげる人を変えたりと手を抜くことがオススメ)
・口の機能は、身体の発達と連動しているので、伝い歩きなど横の動きができるようになると、口も左右に動くようになる
・味覚や胃腸の発達は基本的に遅れていない
・アレルギー食材のお試しや味付けも一般的な月齢に沿って良い
・形はペーストで初期だけれど、味付けは後期以降の濃さでないと食べないことも
・市販のBFは味付けも一般的な月齢に合わせているので、追加で味付けをしないと嫌がる子が多い
・離乳食の形状をアップするときには、しっかりとゴックンできる、又はしっかりと舌でつぶせるようになってから
・特に中期から後期は急ぐと丸呑みをしやすいため、様子をよく見てすすめる
・次の形態のものをほんの少し(2、3粒から)練習用に加えていき、口の動きが出てきているかを確認しながら練習の量を増やしていき、段々と移行していく
・違う形状のもの同士を混ぜてしまうと食べるのが難しいので、練習用のものは単品であげると良い
・基本的に体幹の筋肉も弱いので、食事時は姿勢の補助が大切。
腰回りをクッションやタオルで保持すること、足の裏が床などにしっかりついていると口に力を入れて食べやすい。
(椅子については別の記事を投稿予定)
・筋肉の発達には肉類の摂取が良いが、初期の形状だと固形の肉をあげることは難しい
以下は、そんな時に先輩から教わった「肉ペースト」のレシピです。
かなり重宝しています。
【肉ペーストの作り方】
-
- 材料--
・ひき肉200g(種類はお好みで)
・豆乳360g(無調整は栄養価が高い)
・片栗粉50g
①材料を全て鍋に入れてよく混ぜる。
②焦げないように混ぜながら弱火で加熱する。
③火が通ったらブレンダーでペーストに。
④冷めたら小分けにして冷凍庫で保存する。
※お子さんの形状に応じて、粘度を調整したり、ブレンダーを省いたりしてください。
※アレンジ例:肉を魚に変更。白菜や玉ねぎなど野菜を加える。
<離乳食について、参考になる資料やリンク>
★埼玉県立小児医療センターのHPにあるダウン症のQ&A
食事についての項目
https://www.pref.saitama.lg.jp/scm-c/shokai/naikashinryo/idenka/faq.html
★埼玉県立小児医療センター。ダウン症の親向け講習会の資料。
離乳食について
★静岡県立こども病院の摂食外来
食事について
http://rg4.rg.med.kyoto-u.ac.jp/JDSN/data/sessyoku.html
★言語聴覚士、ゆうさんのブログ。
ダウン症がある子の離乳食の進め方、発語や遊び方など多岐にわたって、研究結果から分かりやすく解説してくれている。
非常にオススメ。
hagukumi-net.com
★チタンの摂食用スプーン
平べったいので、唇が閉じる力が弱くてもしっかり閉じて食べやすいです。
このスプーンでなくても、平べったくて小さめのものなら良いですが、参考までに。
【注意点】
ここで共有されている情報は、あくまで一般的なものです。
個々のお子さんにあったスピードや工夫も必要になるかもしれません。
全ての情報が当てはまるとは限らないので、ひとつの参考資料と捉えてください。
※※水分量や塩分制限、カリウムの摂取について治療上指示がある場合もあります※※
お子さんの状況をよくご存知の主治医や専門家の指示を仰いでから
始めることをお勧めします。
困ったときには、地域の病院や療育園などにおられる専門家、
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)にご相談ください。
ダウン症 資料とリンク集
●ダウン症に関連する書籍の一覧
http://www.jdss.or.jp/book/
●埼玉県立小児医療センターのHPにあるダウン症のQ&A
https://www.pref.saitama.lg.
ダウン症のお子さんをもつ親からのよくある質問と回答。
●埼玉県立小児医療センター。
●コミュニケーションツール
①ベビーサイン(書籍は店頭でも見かける)
②マカトン サイン
③オノマトペカード
https://www.makuake.com/
④オノマトペ絵本
●療育の書籍
積極的な子、消極的な子によって異なるアプローチ方法も各段階で説明されている。
ブログをはじめました。
そこまで悩む必要はなかったかもしれない